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Excel 2016でコピー・貼り付けできない|KB5002914の不具合はKB5002665最新版で修正

更新

2026年9月の更新後、Excel 2016でコピーはできるのに貼り付けが反応しない、Ctrl + V を押しても何も起こらない、エラーも出ない――という症状が出ている場合、Excel 2016向けセキュリティ更新 KB5002914 の既知問題に該当している可能性があります。

MicrosoftはKB5002914の既知の問題として、一部の貼り付け操作が通知なしで失敗することがあると正式に案内しています。失敗してもコピー元の選択状態は残り、貼り付け先は変化せず、ビープ音やエラーメッセージも出ないため、「クリップボードが壊れた」「Excelが固まっている」と見えやすいのが厄介なところです。

結論から言うと、この問題は2026年9月16日公開のKB5002665で修正済みです。ただし、KB5002665には途中の版で条件付き書式を含むブックだと貼り付け失敗が残る問題があり、MicrosoftはKB5002665の最新版を入れるよう案内しています。

この記事はMicrosoft SupportのKB5002914、KB5002665、およびExcelの貼り付け既知問題ページをもとに整理しています。筆者環境でKB5002914の不具合を再現した記事ではありません。実体験と公式情報を混同しないため、確認できている事実を中心に説明します。

先に結論

  • Excel 2016で、コピー後の貼り付けが何のエラーもなく失敗する既知問題があります
  • 原因になり得る更新は、2026年9月8日公開のKB5002914です
  • Microsoftは、2026年9月16日公開のKB5002665でこの問題を修正しています
  • KB5002665は最新版を使う必要があります
  • 古いKB5002665では、条件付き書式を含むブックで貼り付け失敗が残る場合があります
  • 修正版をすぐ入れられない場合は、Microsoftが一時回避策として**「形式を選択して貼り付け」**を案内しています
  • KB5002914はExcelの脆弱性を修正するセキュリティ更新なので、削除したまま使い続けるより修正版へ更新するのが基本です

KB5002914で起こる症状

Microsoftが説明している症状は、普通の「Excelがフリーズする」問題とは少し違います。

貼り付けを実行しても、Excel自体は動いているように見えます。しかし、

  • コピー元のセルは選択されたまま
  • コピー時の点線表示も残ることがある
  • 貼り付け先のセルは変化しない
  • エラーダイアログが出ない
  • 警告音も鳴らない

という状態になります。

つまり、ユーザーから見ると**「Ctrl + Vを押したのに無視された」**ように見えます。

Microsoftはこの状態を「paste operations might fail silently(貼り付け操作がサイレントに失敗する可能性がある)」と説明しています。

こんな場合はKB5002914を疑いやすい

次の条件が重なるほど、KB5002914との関連を確認する価値があります。

確認ポイント KB5002914問題との一致度
Excel 2016を使っている 高い
2026年9月8日以降に症状が出始めた 高い
KB5002914がインストールされている 高い
コピーはできるが貼り付けだけ反応しない 高い
貼り付け失敗時にエラーが出ない 高い
Wordなど他のアプリでも貼り付けできない 別原因も確認
Windows全体でクリップボード履歴も使えない Windows側の問題も確認
特定ブックだけで発生する 条件付き書式などブック固有条件も確認

KB5002914とは

KB5002914は、2026年9月8日に公開されたExcel 2016向けセキュリティ更新プログラムです。

Microsoftの説明では、Microsoft Excelのリモートコード実行の脆弱性と情報漏えいの脆弱性を修正するための更新です。

つまり、KB5002914は単なる機能更新ではありません。

貼り付け不具合だけを見れば「このKBを消せばいい」と考えたくなりますが、セキュリティ上の修正も含んでいるため、アンインストールした状態を恒久対策にするのはおすすめできません。

Microsoft自身も、KB5002914で発生した貼り付け問題について、修正版であるKB5002665を公開しています。

まずExcel 2016か確認する

最初に確認したいのは、本当にExcel 2016を使っているかどうかです。

Excelが起動できる場合は、

  1. Excelを開く
  2. 「ファイル」を開く
  3. 「アカウント」を開く
  4. 「製品情報」や「Excelについて」を確認する

という順で製品名やバージョンを確認できます。

Office Professional Plus 2016、Office Standard 2016など、2016製品であることを確認します。

Excel 2019、2021、2024、Microsoft 365では更新経路や該当するビルドが異なるため、「貼り付けできない」という症状だけでKB5002914と決めつけないようにしてください。

なお、MicrosoftのExcel貼り付け既知問題ページでは、同種の問題がExcel 2016だけでなくExcel 2019、2021、2024にも案内されていますが、修正版の番号やビルドは製品ごとに異なります。

MSI版かClick-to-Run版か確認する

KB5002914やKB5002665のMicrosoft Download Center版は、Microsoft Installer(MSI)ベースのOffice 2016向けです。

MicrosoftはKB5002914・KB5002665の両ページで、Download Centerの更新はMSI版Office 2016向けであり、Click-to-Run版には適用されないと明記しています。

そのため、

  • Office 2016だからKBファイルを直接入れればよい
  • 32bit/64bitだけ合わせればよい

というわけではありません。

自分のOfficeが32bitか64bitか、MSI版かClick-to-Run版か分からない場合は、先に以下の記事で確認してください。

Officeが32bitか64bitか、MSI版かClick-to-Runか確認する方法

KB5002914が入っているか確認する

MSI版Office 2016では、コントロールパネルの「インストールされた更新プログラム」からOffice向けKBを確認できる場合があります。

  1. スタートメニューで「コントロール パネル」を検索する
  2. 「プログラム」→「プログラムと機能」を開く
  3. 左側の「インストールされた更新プログラムを表示」を開く
  4. 検索欄に KB5002914 と入力する

KB5002914が見つかったら、インストール日も確認します。

貼り付けできなくなった時期とKB5002914の導入時期が近いかを見ることで、原因候補を絞れます。

Windows UpdateやOffice更新のKB番号を確認する手順は、以下の記事でも詳しくまとめています。

Windows Updateの原因KBを確認してアンインストールする方法

正式な修正はKB5002665

Microsoftは、KB5002914の既知問題として発生した貼り付け失敗を、KB5002665で修正したと案内しています。

KB5002665は2026年9月16日に公開されたExcel 2016向け更新です。

Microsoft Supportには、改善内容として、KB5002914の既知問題で特定の貼り付け操作がサイレントに失敗する問題を修正する趣旨が明記されています。

そのため、KB5002914が原因と考えられる場合の基本的な対応は、

KB5002914を削除して止めるのではなく、KB5002665の最新版まで更新する

ことです。

KB5002665は「最新版」が重要

ここはかなり重要です。

Microsoftによると、KB5002665の以前の版では、条件付き書式を含むブックで貼り付け操作が引き続き失敗する場合がありました。

そのため、

  • KB5002665はもう入っている
  • でもまだ貼り付けできない

という場合でも、すぐに「KB5002665では直らない」と判断しないでください。

Microsoftは最新バージョンのKB5002665をインストールして完全な修正を適用するよう案内しています。

特に、貼り付けできないブックに条件付き書式が大量に設定されている場合は、更新の版が古くないか確認する価値があります。

KB5002665を入れた後に確認すること

更新後はExcelを閉じるだけでなく、Windowsを再起動してから確認するのがおすすめです。

確認は、いきなり業務用の大きなブックだけで試すのではなく、順番を分けます。

1. 新規ブックで確認

新しい空のExcelブックを作り、

  1. A1に適当な文字を入力
  2. Ctrl + C
  3. B1を選択
  4. Ctrl + V

で貼り付けできるか確認します。

新規ブックで正常なら、Excel全体の貼り付け機能は復旧している可能性が高くなります。

2. 問題が出ていたブックで確認

次に、実際に貼り付け失敗が起きていたブックを開きます。

  • 同じシート内
  • 別シート
  • 別ブック
  • 値だけ
  • 数式を含むセル
  • 条件付き書式がある範囲

など、実際の作業に近いパターンを確認します。

3. 条件付き書式がある場合

KB5002665の以前の版では条件付き書式があるブックで問題が残る場合があったため、条件付き書式を使用しているファイルでは特に確認します。

「ホーム」→「条件付き書式」→「ルールの管理」から、対象ブックに条件付き書式があるか確認できます。

ただし、条件付き書式を全部削除することを恒久対策にはしないでください。まずKB5002665が最新版か確認するのが先です。

すぐ更新できない場合は「形式を選択して貼り付け」

Microsoftは、この問題の一時的な回避策として**「形式を選択して貼り付け」**を案内しています。

通常の Ctrl + V で貼り付けに失敗する場合は、

  1. 「ホーム」タブを開く
  2. 「貼り付け」の▼を開く
  3. 「形式を選択して貼り付け」を選ぶ
  4. 必要な形式を選ぶ

という手順を試します。

Microsoftが例として挙げているのは、

  • 数式
  • 数式と数値の書式
  • 値
  • 値と数値の書式
  • リンク貼り付け

などです。

これはあくまで回避策です。

通常の貼り付けを毎回「形式を選択して貼り付け」で置き換えるより、最終的には修正版を適用した方がよいでしょう。

KB5002914をアンインストールすれば直る?

原因切り分けだけを考えると、更新プログラムのアンインストールで症状が変わるか確認したくなる場面はあります。

ただしKB5002914は、Excelのリモートコード実行や情報漏えいに関する脆弱性を修正するセキュリティ更新です。

そのため、

貼り付けできない → KB5002914を削除 → そのまま使い続ける

という運用は避けた方が安全です。

Microsoftが修正版のKB5002665を用意している現在は、基本的に修正版へ進める方が優先です。

もし社内システムとの互換性などの理由で更新・削除を管理者が判断する必要がある場合は、IT管理者やシステム担当者のルールに従ってください。

KB5002914がないのに貼り付けできない場合

KB5002914が見つからない場合や、KB5002665の最新版を入れても症状が変わらない場合は、別原因を切り分けます。

Windowsのクリップボード自体を確認

Excelだけでなく、

  • メモ帳
  • ブラウザ
  • Word
  • エクスプローラー

などでもコピー・貼り付けできない場合は、Excel固有の問題ではない可能性があります。

Windows + V でクリップボード履歴が開けるかも確認できます。

Windows 11でクリップボード履歴そのものが使えない場合は、以下の記事も参考にしてください。

Windows 11でクリップボード履歴が使えないときの確認ポイント

Excelのアドインを確認

Excelだけで症状が残る場合、COMアドインやExcelアドインの影響も考えられます。

Windows + R を押し、

excel /safe

でExcelをセーフモード起動して貼り付けできるか確認します。

セーフモードでは正常なら、通常起動時に読み込まれるアドインや設定が原因候補になります。

特定ブックだけで起きるか確認

新規ブックでは正常なのに、特定の業務ブックだけで貼り付けに失敗する場合は、

  • 条件付き書式
  • マクロ
  • 外部リンク
  • 保護設定
  • 共有ブック
  • 壊れた名前定義
  • 巨大な数式
  • 外部データ接続

など、ブック側の条件も確認します。

KB5002903とは別問題

このブログでは、Excel 2016で古い .xls ファイルが開けなくなった実例として、KB5002903についても記事にしています。

Excel 2016で.xlsが開けない|KB5002903を削除して復旧した実例

KB番号が近いため混同しやすいですが、今回の記事とは症状が違います。

KB 主な症状 対応の考え方
KB5002903 古い .xls ファイルなどが開けない事例 ファイルを開く問題として切り分け
KB5002914 コピー後、貼り付けが通知なしで失敗 KB5002665最新版で修正
KB5002700 Word・Excel・Outlookが応答なしになる既知問題 KB5002623を確認

Word・Excel・Outlookが「応答なし」になる場合は、別記事でKB5002700とKB5002623の関係をまとめています。

Office 2016でWord・Excel・Outlookが応答なしになる|KB5002700後はKB5002623を確認

つまり、「Windows Update後にExcelがおかしい」だけでは原因KBを特定できません。

  • ファイルが開けない
  • Excel自体が応答しない
  • コピー・貼り付けだけ失敗する

のどれなのかを先に分けると、かなり調べやすくなります。

Windows Update後のOffice不具合を切り分ける順番

症状がKB5002914と完全には一致しない場合は、次の順番で確認すると整理しやすいです。

  1. いつから症状が出たか確認
  2. Excel 2016か確認
  3. MSI版かClick-to-Run版か確認
  4. 最近入ったOffice/Windows更新のKB番号を確認
  5. 新規ブックでも発生するか確認
  6. Excel以外でもコピー・貼り付けできないか確認
  7. セーフモードで再現するか確認
  8. 特定ファイルだけならファイル側を調べる
  9. Microsoftが既知問題として認めているKBか確認
  10. 修正版がある場合は削除より修正版を優先する

一般的な切り分けは以下の記事でもまとめています。

Windows Update後にExcel・Officeがおかしいときの切り分け方法

会社PCでは勝手に更新・削除しない

会社で管理されているPCでは、Windows UpdateやOffice更新がWSUS、Microsoft Intune、グループポリシーなどで管理されている場合があります。

その場合、ユーザーが個別にKBを削除したり、Microsoft Download Centerから更新を手動導入したりすると、会社の更新ポリシーと食い違う可能性があります。

業務PCでは、

  • KB5002914が入っていること
  • 貼り付けが失敗すること
  • KB5002665が修正版としてMicrosoftから案内されていること
  • 現在のKB5002665の適用状況

を管理者へ伝えたうえで対応してもらうのが安全です。

よくある質問

Q. Ctrl + CはできるのにCtrl + Vだけ効きません。KB5002914が原因ですか?

可能性はありますが、症状だけでは断定できません。Excel 2016であること、KB5002914の導入状況、発生時期を確認してください。KB5002914の既知問題では、貼り付け失敗時にエラーが表示されないのが特徴です。

Q. KB5002665を入れたのに直りません

KB5002665の最新版か確認してください。Microsoftは以前の版について、条件付き書式を含むブックでは貼り付け失敗が残る場合があったと案内しています。

最新版でも直らない場合は、新規ブックでも起きるか、セーフモードでも起きるか、Windows全体のクリップボードは正常かを切り分けてください。

Q. KB5002914を消した方が早いですか?

KB5002914はセキュリティ更新です。現在はMicrosoftから修正版KB5002665が案内されているため、恒久対応として削除状態を維持するより、修正版を適用する方が基本です。

Q. Excel 2016 Click-to-RunでもKB5002665を直接入れればいいですか?

Microsoft Download CenterのKB5002665はMSIベースのOffice 2016向けです。Click-to-Run版は更新経路が異なります。まず自分のOfficeのインストール形式を確認してください。

Q. 条件付き書式を削除すれば直りますか?

以前のKB5002665で条件付き書式を含むブックに問題が残る場合がありましたが、Microsoftは最新版で完全な修正を適用するよう案内しています。条件付き書式を削除することより、まず最新版への更新確認を優先してください。

まとめ

Excel 2016で、コピーしたセルを貼り付けようとしても何も起こらず、エラーすら出ない場合、KB5002914の既知問題に該当している可能性があります。

重要なのは、KB5002914がセキュリティ更新であることです。

単純に削除して終わりにするのではなく、

  1. Excel 2016か確認
  2. MSI版かClick-to-Run版か確認
  3. KB5002914の適用状況を確認
  4. KB5002665の最新版を確認
  5. 更新できない間は「形式を選択して貼り付け」を試す
  6. それでも直らなければ別原因を切り分ける

という順番がおすすめです。

今回の件は、Microsoftが既知問題と修正版の両方を公開しているため、原因候補を比較的追いやすいトラブルです。

「Windows Update後からExcelがおかしい」というだけで更新を片っ端から削除するのではなく、症状とKB番号を対応させて確認するのが安全です。

Microsoft公式情報

Microsoftの案内は更新されることがあります。修正版や既知問題の状況は、作業前にMicrosoft公式ページの最新内容も確認してください。

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